2017年10月4日水曜日

Amazonでfeelersコントローラ、温湿度センサーなど販売してます

Interop Tokyo 2016、2017と2年間ShowNet環境の温度監視をZabbixから行えるように温度監視のためのセンサーとコントローラを提供してきました。

過去の経緯はZabbix Conference Japan 2015の私の発表でご説明したり、このBlogのInterop 2017 ShowNetの記事でもお伝えしています。

その後、feelersコントローラとセンサー用のサイトを作成し、Interop 2017 ShowNetで20ラック分の温湿度・気圧の監視を行うために、事前にコントローラやセンサーを余分に作成したものをAmazonで販売を始めてみました。

このfeelersコントローラはIP接続が可能でZabbixエージェントのネイティブプロトコルを利用できるため、Zabbixサーバーからは通常のエージェントと同じように監視設定ができます。Zabbixエージェントのアクティブチェックと同じように動作する専用のファームウェアを搭載し、Linuxベースのものとは異なりOS自体の管理などが不要で、設定などはWebインターフェースから行えます。SNMPv1も利用できるためZabbix以外の監視ソフトウェアからも利用可能です。

現在のところコントローラに接続できるセンサーは以下の5種類あります。製品それぞれの情報やAmazonへのリンクは製品一覧のページにあります。

  • 温度・湿度・気圧センサー
  • 温度・湿度センサー
  • 気圧センサー
  • ケーブルタイプの温度センサー
  • 接点センサー

上のShowNetの時の画像にも写っていますけれど、例えば音湿度気圧のセンサーはボックスタイプで、この中に温度・湿度・気圧のセンサーが入っています。

コントローラとセンサーはRJ45ケーブルで接続してセンサーデータの送受信と電力の供給を行う仕組みになっています(上の写真のRJ45ポート)。無線接続のような配置の自由度はありませんが一般的なLANケーブルを利用でき、電力の供給を考える必要はないため手軽に利用できます(コントローラとセンサー間はLANケーブルで接続しますがIP通信を行っているわけではなく、センサー単体では利用できません)。無線タイプのものは電源供給をどうするかであったり、意外と電波干渉でデータ通信が途切れてしまったりということもあるようですので、屋内のあまり広くない範囲で利用する場合は有線接続の方が良いんじゃないかと思っています。

IP接続できる温度・湿度監視などが行える機器は比較的高価なもが多いように思うのですが、feelersコントローラ・センサーは小規模なサーバールームの温度・湿度、扉の開閉などに比較的安価に利用できます。IoTは言葉が先行している感がありますけれど、とりあえず簡単に温度監視などがしたい、という場合に手頃だと思います。Zabbix Japan社内でもサーバールームはあまり空調設備が整っていないので、このコントローラとセンサーを利用して主に温度の監視を行っています。

そもそもの経緯

もともとこのコントローラとセンサー自体はZabbix Conferenceで会った人が自社のデータセンターや環境監視サービスで利用していたものでした。最初は興味本位から少量をZabbix Japanオフィスの監視用に使ったりしていたところ、その会社ではセンサー事業を行わないことになり製造を委託していた会社を紹介してもらって今に至ります。

温度などの環境監視の話は時々聞くこともあり、面白いとは思うのでZabbix Japanとして販売できないかと本社とも相談してみたのですが、製造自体はZabbix社で行っているものではないですし、結局は個人での販売ということろに落ち着いてます。今年はじめに個人事業主登録をしてfeelersサイトの作成や必要分の少量の製造依頼と輸入を行ってます。

とりあえず販売を行うにしても引っかかったのがコントローラとセンサーを接続するRJ45のスプリッタ(ハブではなく)で、日本国内ではほとんど流通してません。最初はAmazonで2分岐のものをいくつか買ってみたものの、あまり品質が良くなく通信ができなかったり、ケースの接合部が浮いてしまってすぐに使えなくなったりと散々となってしまい、最終的にはAmazonではなくて中国の製造メーカーと直接話してやっと使えるものが見つかりました。

コントローラは24センサーまで接続ができるので2分岐スプリッタだけだと分岐が多くなりすぎるということで、4分岐、8分岐のスプリッタも入手しています。通信自体は問題ないものの外観的にもう少し品質の高いものがないか、引き続きより良いものを探しています。

今後について

とりあえず手持ちで余っていたほとんどはAmazonへ出品してみたので、次の製造依頼をどこかで実施しようと思っています。

今のところセンサーは温度、湿度、気圧、接点のものがあるのですが、クランプタイプの電流センサーの試作品を作ってもらっています。これまでZabbixでは監視ができなかったような領域のデータ収集ができるのはなかなか楽しいですね。Amazonで販売してみるとかも良い経験ではありますけれど本業が忙しいこともあり、ゆるゆるとやってますのでよろしくお願いします。

お問い合わせはこちらから

ご質問などありましたらfeelersサイトのお問い合わせページからご連絡ください。

2017年5月27日土曜日

Interop Tokyo 2017 Shownetの構築

Zabbix Japanを設立してから毎年参加しているInterop Tokyoが今年も6/7(水)から6/9(金)に開催されます。直近4年はInterop会場内のネットワークを提供するShowNetにも参加して、ShowNet内のシステム全体の監視を行っています。Interopの会場内に設置されている来場者向けのWifiや、出展者向けのネットワークもこのShowNetが提供しています。

ShowNetについての詳細はこちらから:

今年もShowNetの開催が始まりまして、木曜日から作業を開始して今日も幕張メッセで作業中です。

今年は4月に販売を開始したZS-7300アプライアンスをメインで利用してシステム全体の監視を行う予定になっていまして、昨年の実績からは全体で700〜800ホスト程度の監視になる予定です。このシステムの監視をZabbixのパートナーさんの有志と一緒におよそ5日間で構築開始から完了させる予定です。

もう1台、Dell R220サーバーも持ち込んでいるのですが、こちらはZabbix 3.2をインストールして予備として稼働させます。合わせてZabbixのパートナーさんのソリューションのテストや、今後のソリューション/プラグイン開発のためのテストとして利用します。今年はネットワーク機器から送信されたsyslogをZabbixのホストごとに自動振り分けするプラグインを作成してみたので、興味のある方はInteropのZabbixブースでご説明できます。

また、1つ前のブログ投稿で書いたZabbix対応のセンサーを持ち込んで、各ラックの全面1点の温度・湿度・気圧と、背面の上中下3ヶ所の温度監視を全20ラックに対して行います。

下の写真がセンサーを1ラック分を組み立てたところです。四角いボックスが温湿度気圧センサー、赤いケーブルが3つ見えるものが先端が温度センサーになっています。昨日はパートナーさんと一緒にこれを20台分設置する作業を行ってました。

昨年のShowNetのZabbixサーバーが入っているラックはこんな感じでした。今年もZabbixサーバーが搭載されているラック番号は#15、背面も見えるラックになっているので、Interop会場に来られたらぜひZabbixとセンサーの位置も確認してみてください。InteropのZabbixブースでもShowNetの監視をしているZabbixの画面をご覧いただくこともできます。

また、6/7(水)の16:00から、Interop会場内のShowNetステージにて「Zabbixを利用したShowNetシステム環境の監視」プレゼンテーションを行います。どのような機器を監視しているのか、5日間でどうやって数100台の機器の構築を行なったのかを知りたい方はこちらもぜひ!

2016年12月17日土曜日

Zabbix対応の温湿度・気圧、接点センサー購入者の募集

2015年のZabbix Conference Japanでも簡単にご紹介、今年のInterop Shownetでもラックの温度監視に利用していたZabbix対応のセンサーについて、数名の方から試してみたいとお話をいただいていることもありまして、私(個人)が必要なものを製造依頼するとの合わせて評価用のセットを共同で購入する人はいませんか、というご案内です。

このセンサーはコントローラとセンサーをつなげて利用するようになっていて、1つのコントローラには8個までのセンサーをつなげられます。

コントローラ本体

こちらがコントーローラ本体。USB miniBで給電するようになっていて、10MbpsのLANコネクタをネットワークに、1Wポートからはイーサネットケーブル(RJ45コネクタ)でセンサーにつなげます。

IPアドレスの設定などはWebインターフェースから行うことができます。

このコントローラが特殊なのはファームウェアにSNMPv1とZabbixエージェントのアクティブチェックプロトコルが実装されているところで、Webインターフェースからホスト名、ZabbixサーバーのIPアドレスを設定するとZabbixネイティブな通信でセンサーデータをZabbixサーバーに送付することができます。

センサーの種類

コントローラとセンサーの接続は一般的なLANケーブルが利用できるので特殊なケーブルを購入しなくても済みます。センサーデータをコントローラへ送付することと、センサー自体への電源供給も1本のLANケーブルで行います。

今のところ接続できるセンサーには3種類あります。

  • 温湿度・気圧センサー
  • 1.5メートル温度センサー
  • 接点センサー

温湿度・気圧センサーは3種類のセンサーが1つのボックスに入っているタイプです。

1.5メートルの温度センサーはRJ45端子が付属しているので、そのままコントローラへ接続できます。

接点センサーは見た目は温湿度気圧センサーと見た目はほぼ同一です。ケースを開けるとA/B接点があり、ここにマグネットセンサーなどを接続すればZabbixからは0/1データで状態を監視することができます。

コントローラから複数センサーを接続する場合はスプリッタを間に挟みます(スイッチングハブではなくて単純に線を分岐するだけのものです)。

日本国内ではこのRJ45のスプリッタが入手しづらく、いくつかのルートで比較的安価なものを購入はしてみたものの品質に難がある場合も多く、品質が良いものを探すのが少し難しそうです。引き続き良い購入先を探し中です。

試してみたい方はこちらまで

このセンサーを試してみたいという方は、上記のコントローラ、3種類のセンサーが1つずつ入った評価キットという形で製造してもらおうと思います。スプリッタは品質が良いものが見つかれば良いのですが、そこそこの品質のものでもよければ余ってるものを1個おまけで入れておきます。

とりあえず支払いは実際に私の手元に機器が届いてからで良いので、購入希望の方はセット数と氏名、メールアドレスを以下のフォームからご連絡ください(価格はリンク先にあります)。

  • Zabbixセンサーキットの購入希望フォーム (締め切りました)

どのくらい興味のある方がいるか分からないこともあり、今年いっぱいまで募集を受け付けようと思います。2017年1月中には送付できるようなスケジュールで考えています。

なお、もともとこのセンサー自体はZabbix Conference(ラトビア本社開催)でお会いした方が実運用で利用されているものにZabbixエージェントプロトコルを実装したファームウェアを載せたもので、機器自体はキワモノではなくて数年の実績があるものです。Zabbix Japan社内でも1年ほどサーバールームと社内の温度・湿度監視に利用していますが特に問題なく継続利用できています。

ご質問などがあればコメントからよろしくお願いします。

追記:

VISA、Master、Amexであれば、PayPalではなくてもクレジットカード決済できるようになりました。領収書の発行も可能です。

追記2:

Amazonでコントローラ/センサーの販売を開始しました。詳細はこちら

2016年11月29日火曜日

Zabbix Conference Japan 2016

今年もZabbix Conference Japan 2016も無事終了しました。ご来場いただいた方々、登壇いただいた方々、それからスポンサーいただいたパートナー様、どうもありがとうございました。

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Conf2016banner

今年は想定よりもスポンサー企業様が多く、大変ありがたく思っています。とはいえ予定よりもスポンサー登壇が多くなったため技術的な内容が昨年までよりも少なくなってしまい、来場いただいた方々からはもっと技術的な濃い話が聞きたかった、という声が聞こえてきそうな気もしています。

来年は4.0(LTS)リリースというタイミングでもあるため、アジェンダをうまく調整したいと思います。

アジェンダのページに登壇資料も公開したので、他にもいくつかZabbix Conference Japan 2016に関係するリンクとあわせて記載しておきます。

カンファレンス全体の詳細記事も近日中に公開予定です。もう少しかかりそうですが公開されたら追記します。

私のプレゼンテーションの中で実施するとお話ししたZabbix 4.0への新機能追加要望のリクエストについて、現在社内で集計を行っています。今回は早めに集計をしてリクエストを出す予定なのでどの要望を採用したかも公表するようにします。

2016年8月7日日曜日

Zabbix 4.0へ向けた機能要望

もうだいぶん前の話になってしまいましたが、Zabbix Conference Japan 2015の私のプレゼンテーションで「Zabbix 4.0へ向た日本からの機能要望を出そう」というお話をしました。

来場いただいた方と、懇親会に参加いただいた方に機能要望を募集して、その中から要望が多かった機能について、Zabbix Japanから本社の開発サービスを利用して、具体的にこの機能を実装してほしい!ということを実施してみようという取り組みです。

Zabbix Conference 2015を実施した2015年11月の時点でもZabbix 3.2(ポイントリリース)に対してすでに世界からたくさんの開発サービス利用要望をもらっていたこともあって、次のバージョンへ追加する新機能や改善については、なかなか日本で要望が多い機能のプライオリティを上げることが難しいという状況もあったためです。

開発サービスはZabbix本体への修正や機能追加を直接依頼できるサービスです。自分がZabbixユーザーの立場ならちょっとした機能や実装が不足していることに困っている状況であれば、苦労して回避策を作るよりこのサービスを利用した方が後々苦労せずに済むと思うんですけれど、日本からはあまり利用されていないんですよね。

修正が構築期間ないに終わらないといけないとか、予算の問題とか、そもそもオープンソースに対する修正に費用を出すという感覚がないとか、色々と理由はあるんでしょうけれど。日本国内もまったく使われていなこともなくて、パートナーさんによってはうまく活用されて要件に不足している機能を補われていたりします。

さて、Zabbix 4.0に向けた機能要望について、Zabbix Conference Japan 2015でいただいた要望のうち特に多かった以下の2つを選定して依頼を行っています。

  • ローレベルディスカバリで作成されたアイテムなどの設定を変更したい
  • ホストグループの階層化

上記機能が欲しかった!という方は今後のリリースに期待頂ければと思います。

他にも以下のような要望も多かったのですが、これらは今回はZabbix Japanからの機能要望としては見送ることになりました。大きな変更が必要なためにすぐには実装が難しかったり、すでに実装されることが予定されている、などが理由です。

  • Webインターフェースからのアイテム手動実行
  • アイテム、トリガー、メンテナンスなど設定ごとや、有効/無効化など機能ごとの権限設定
  • Webシナリオのインポート/エクスポート

もちろん、上記の機能や開発サービス以外でも新機能の実装や機能改善はどんどん行っていますので、もうすぐリリース予定のZabbix 3.2もご期待ください。

今年のZabbix Conference Japan 2016は11/18(金)開催です。今年は場所を変えてもう少し広い会場を予定していますので、こちらもお楽しみに!